ストラテラ断薬→コンサータ開始から2週間のメモまとめ

日記をつける女性 ADHD
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2017年現在、日本国内の大人のADHDの治療で用いられる薬の代表といえば、コンサータとストラテラです。2016年10月から2017年5月末までストラテラ80mg(40mgを日に朝晩1回ずつ)を服用していましたが、主治医の勧め(か実験)により一旦断薬し、様子を見てからコンサータを飲み始めました。

その経過をTwitterでメモしていたので、まとめます。

ストラテラを止めてコンサータを始めるまでの印象

ポンコツ脳が戻ってきてしまった

転居して現在の主治医に診てもらうことになりました。適当に探した初診Web予約の可能な、電車で20分もあれば着くクリニックです。

地方の何でもない医院の紹介状が、心理テストのプロフィールさえ同封しない悪筆3行くらいのものだったためか、主治医はADHDであるという私の主張を疑ったのかもしれません、一旦ストラテラを断薬することになりました。

それまでの半年近くをストラテラありで過ごす中、スケジュール管理の成功体験を積んでいるので、その獲得したスキルだけでも生活できるのではないか、という見込みもあったようです。

いやー、でもね、私はアラフォーになるまでずっとADHDerとして生きてきたからよくわかってるんですが、服薬しないで過ごしていると生活が回らなかったんですよね。スケジュール管理手法も、認知行動療法の書籍とほぼ同じ内容を試してきていたんですよ。それこそ、社会人になる以前から。

それでも回らなかった印象で、さらに育児の負荷もあって無理となったんで、ストラテラの助けを借りることにしたわけですよ。

服薬しないでは(とりあえず今は)無理だと強烈に実感しましたよねぇ。あああ。思い出すだに嫌な感じしますね。

他己評価ではどうか?

Webライティングの仕事では納期を延長してもらわなければなりませんでした。
また、夫にも、皿洗いや頼んだことをやってくれていない、薬をやめたら「ポンコツになっちゃった」と言われて……。

服薬なしのキラキラした感覚も好きだったんですが、それと表裏一体で上手くいかない、反省や後悔もついて回ることも事実。

家族や仕事の関係の人たちとうまくやって生き抜いて行くには、世の中がものすごく寛容にならない限りは、やはり服薬なしに過ごすことはできない、というのが結論です。

以上の経過を主治医にも告げたところ、「そうなんだ! やっぱりADHDだったんだねぇ」ということでコンサータを始めることに決定しました。(いや、だからADHDだって言ってるじゃーん、っていう。)

コンサータを始めてから2週間の印象

やる気は出るが、やる気の方向性が問題だ

私自身の、コンサータ服薬初日の言葉です。いま思えば、将来を暗示するようなツイートです……。

「やらなきゃ!」という焦燥感はあるのはADHDerならだれでも経験しているところではあると思うのですが、同時に「でも、なんか取りかかれない」という気持ちもあって先延ばしてしまうのもありがちな話。この先延ばし傾向がコンサータを飲んだことで少し改善しました! すごくない?

実際、3か月くらいやろうやろうと思っていた、「重要度が高い×緊急性は高くない」ような自分のためのタスクを片づけることができました。

しかし、やる気が行動につながって当初はうれしかったものの、すぐに別な問題があることに気づかされます。

とはいえ、コンサータ服薬当初は「ストラテラに比べたら心の感性が保たれている」という印象がありました。

その分だけポジティブに捉えてみよう、つまりは甘く評価しようと思っていました。感情の閾値が高くなると、気持ちの振れ幅が小さくて無感動になるんですよね。鏡で見ても表情がなくなるし。

コントロールが大事と思うことにしました。さて、コントロールできるのか?

思考の多動性から生まれた「やる気」が即行動化する不具合

コンサータは感性を保ったままやる気を行動に移させるという、なんともうれしい効果をもたらしてくれました。

しかし、どういうわけか、コンサータ服薬後にはADHDにありがちな不注意や集中のできなさが目立ってきたんですよね。例えば、PCでWebライティング作業をしているときに、ふと用事Aを思い出してそちらを片づけようとします。が、そこでまた関連した用事Bを思い出して”つい”そちらに手を伸ばしてしまい、さらに娘から用事Cを要求されてCに移るなど。

私は思考の多動性はあっても行動の多動性はなかった(つもりだった)のですが、コンサータを服薬することによって、「やる気が行動につながる」傾向が強化されてしまい、思いついたら即座に行動に移すようになってしまったようです。

優先順位づけに従って行動すればいいと思ってはいても、その判断の前にもう行動しているから困る。

タスク処理・スケジュール管理にも悪影響が出てしまった

このスキルで何とか対応できていたつもりのものも、時間が経つごとに対応できなくなってきました。3時間、半日の各タスクの遅れも、月末の全体量としてはかなりの負担になるんです。

また、Webライティングの仕事においては、文章の構成力や文脈の見通しのようなものもコンサータでは発揮できなくなってしまいました。そのため、与えられたテーマとSEOキーワードでどう文章を書くかという校正の段階でかなり時間を食うことになり、仕事に支障が出てしまうという結果に。

ああ、あと、Webライティングで使う画像選びも時間が余計にかかるようになっていましたね。例えば、「女性+美容+スキンケア+笑顔+写真+横+エディトリアル以外+女性+1人」なんて条件でShutterstockで検索すると、かなりの量の写真がヒットするんですよ。それこそ100のオーダーで。その中から2~3枚を選択する際に、どういうわけかきりの良いところで妥協できなくなってしまいました。

本来なら、タスクを優先して時間で切り上げなければならないはずなのに、気がつくとどっぷり作業に浸かり込んでいて、いつの間にか時間が過ぎているんです。

コンサータなら覚醒剤みたいにキマる?

押したスケジュールは睡眠時間を削って帳尻を合わせればよい、というのが服薬せずに学生時代や会社員時代に経験的に学んだ緊急時のタスク処理スキルでした。

(まあ、小学校の夏休みの宿題も先延ばしに先延ばして8月30日から始めるような子供でしたから、実は長くそれで乗り切ってはきたのかな。「単調にやるより、直前で集中したほうが”頭の回転がよい”から良い物に仕上がる」なんて非合理な信念も持っていましたしねぇ。本当なら早めに初めて、2回3回と推敲するほうが質が高まるだろうに。って、思い出の話はいいや。)

コンサータは覚醒剤のようにやる気をブーストして先延ばしも防げるとか、コンサータを飲むとついやる気が強くなって休むこともできずにやり続けてしまって、後からものすごくダウンする、という話をTwitterやブログで聞いていました。

「ふだんどおりのペースではどうしても間に合わない」という緊急時は、コンサータの覚醒効果を活用して夜中に作業して帳尻を合わせればいいや。そんなことを考えていたんですが、当てが外れました。

私の場合、コンサータに魔法のようなパワーは全然感じなかったんですよ……。覚醒具合でいえば、おそらくストラテラ80mgのほうがずっと強く、深夜まで起きていられたし、早朝覚醒もしていたのに日中に疲れをあまり感じなかったくらいです。

コンサータとストラテラの作用機序が異なるということは、同じADHDという分類にくくられている人たちも、実はそれぞれ症状の発生する原因は分かれているってことでしょうね。

私はストラテラ派であったようで、そのため、やる気が行動に移しやすくなってフットワークはちょっと軽くなったものの、トータルで暮らしを見ると、コンサータの服薬はむしろマイナスに作用してしまったような印象でした。

コンサータとストラテラを併用することに

ストラテラが理性や判断力、スケジュールや文章を見通す力を発揮できるようちょっと力を貸してくれたら、きっと大丈夫なのに。

家族のために服薬することにしたのに、その家族の評価がこれでは意味がない。

そういうわけで、コンサータとストラテラを併用することになりました。

次回、記事にまとめます。

おまけ:ストラテラがよく効くADHDerがコンサータだけにしたときの窮状について

コンサータだけにしていたときの困り感の詳細は、はてなブログのほうにもまとめてあります。(このサイトを作る前ははてなブログのほうに書いていて、記事を引っ越ししてないです。)

もっと具体的な困り感を知りたいという方は、ぜひこちらも合わせて読んでみてくださいな。

ストラテラからコンサータの切り替えの小さくて大きな影響|The 巣 in はてな

では、次回のコンサータとストラテラの併用の記事をどうぞお楽しみに。

お急ぎの方は、下に私の「#コンサータとストラテラ」のタグの入ったTwitterのツイートをまとめて表示しますので、こちらをさかのぼってみてください。何となくイメージがわくかも。


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