ADHDerと時間知覚の関係は?
当人の感じ方による時間の種類
ADHDerの悩みといえば「遅刻」「期限が守れない」が顕著ではないでしょうか。密接に関わるのは過集中と先延ばしといったADHD症状でしょう。
客観的時間と主観的時間という話を持ち出したのは心理学者のジェームズでしたっけ? ある時刻から別の時刻へと移り変わる時間の中で、過集中が発動すると主観的時間にどっぷり浸かりますよね。時に時間が早く過ぎたり逆に人より”長く”過ごしていたり、体験する内容への主観によって時間経過への知覚は定型の人でも変わります。ADHDerならばおそらくもっと激しく反応しているのではないでしょうか。
時間知覚は1種類だけじゃない?
すっごい適当な印象なんですが、この過集中ではまっている時の時間の知覚と、時刻を示す時間についての知覚とは、なんとなく違うように思います。つまり、時間知覚には複数の種類があるのではないかと。
一般的には、ADHDerは過集中によって時間を無視してしまいがちであるために約束の時間を守れない、ということになっていますよね。でも、実際には「過集中している時でも約束の時刻に引き戻される場合がある」という体験をしているんですよ、少なくとも私は。
具体的には、
炊飯器が壊れてからもう何年も米を炊飯土鍋で炊いているんだけど、ようやく炊飯のための14分という時間が体感できるようになったっぽい。今、炊ける直前の気配で振り返ったらいい具合に湯気が出ていた。
— 園生恵子【#ADHDのながら集中レシピ】 (@sonoukeikoADD) 2017年7月24日
種々の相談・面談・転職面接練習でも40~45分話して、事後処理してトータル1時間で収めるという緩い構造で仕事してきたんだけど、これも40分という時間感覚はピッタリ身についてて、何となくわかるんだよな。他の時間感覚は過集中で乱されるのに、これだけは使える。
— 園生恵子【#ADHDのながら集中レシピ】 (@sonoukeikoADD) 2017年7月24日
というような感じもあります。もちろん、過集中に浸りきって出てこれないこともありますし、まだ先延ばしできるのではないかと間違った残り時間の知覚を元に行動している時もあるんですけどね。
先延ばしと過集中のコントロールのために必要な時間知覚に関する視点
経過時間の知覚
先延ばしの改善を試みる場合、予定の期限の時刻までの残り時間や予想される作業時間といった、まとまった経過時間についての知覚に焦点を当てることになります。
時間に精確な生活を送るためには、主観的な経過時間と客観的時間とのズレができるだけ小さくないといけません。ADHDの認知行動療法ではこの時間感覚と実際の時間のすり合わせをするのがメジャーなようです。少人数で書籍を参考に(素人が)やってみた結果としては、実際ちょっとだけ改善しました。これも私個人は、ですけどね。
最新の研究が気になるところです。ちょこちょこ論文など探したい。
時刻の知覚
経過時間の知覚と密接に繋がってはいると思うんですが、「いま何時?」みたいな知覚もあるのではないかと思うんですけど、どうなんでしょうね。
体内時計を動かして概日リズムを刻んでる時計遺伝子というのがあったような気がするんですけど、ADHDの場合はどうなんだろう。また、この時計遺伝子の働きによって経過時間の知覚も変わってくるのかな?
(あれ? 知覚じゃなくて認知?)
今まで知覚って書いてきちゃったけど、人間には時間を捉える感覚器官はないはずで当然その感覚をプロセスして知覚しているわけでもなさそうなので、は時間”認知”と書くべきであったかもしれません……。
たぶん検索用語も「時間感覚」「時間知覚」よりは「時間の認知」とかのほうが多くヒットしそうですね。いや、いいんだ、メモ書きだから間違いだってあるのさ。(というつもりで読んでいただけると、個人の日記サイトの体でやってるので気が楽です。消極的w)
参考にしたい資料リスト
以上のようなことを調べてみたいなぁと思うので、調べ物ハブとしてこの記事を書いてみました。ここに参考資料リストをあげて、読んだら感想記事を書いて、この資料リストの該当箇所に感想記事へのリンクを張るつもりです。
- こころの時間学-現在・過去・未来の期限を求めて-(文科省科研費補助金 新学術領域研究)
- 栗山健一准教授(精神医学講座)滋賀医科大学研究情報データベースシステム
- 日本時間生物学会
- 栗山健・曽雌崇弘・藤井 猛 (2010) 時間認知の心理学・生理学・時間生物学的特性と精神病理, 時間生物学, Vol.16, No.1, pp. 23-30.
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