ADHDの検査は何だった? WAISプロフィールの結果&考察

ADHD
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ADHDかどうか診断するために、医院で心理検査を複数受けました。

ADHD診断のために受けた心理検査

CAARS(Conners’ Adult ADHD Rating Scales)という成人ADHDの重症度を測るテストと、なんと上に挙げた日本イーライリリーの提供するASRS(成人期のADHDの自己記入式症状チェックリスト)でした。計10分くらい。さらに、発達度合を確認するためでしょう、翌朝からWAIS-Rという知能検査もすることになりました。こちらは1時間半くらいだったかな。(今はWAIS-III、さらにWAIS-IVも標準化が済んでいるとか。ではあるのですが、昔ながらのほうを受検しました。)

心理検査の結果

CAARSとASRSのほうは数値の詳細はわからないのですが、やはり不注意メインのADDとのこと。WAIS-Rのほうは下位検査の評価点も教えてもらいました。全体的には良いほうだが、やはり聞き取る問題で聞き返し多く、下位検査間でのばらつきがありました。

言語性検査の結果

  • 知識 15点
  • 数唱 17点
  • 単語 15点
  • 算数 10点
  • 理解 14点
  • 類似 14点

動作性検査の結果

  • 絵画完成 14点
  • 絵画配列 10点
  • 積木模様 14点
  • 組合せ 18点
  • 符号 14点

総合的な結果は、IQ130、言語性IQ127、動作性IQ126でした。

検査結果の考察

全体として不注意が多く、一部に苦手のあるADHDer

不注意傾向の高いADDということがわかりました。

「もしかしたらそもそも知能が低いせいで物事を理解できていないのでは?」という点を明らかにするために知能検査が実施されたのではないかと思います。結果は、知能検査の階検査の数値にばらつきはあるものの、最低点でも一般レベルなので、社会で生活する分にはアラは目立たないことがわかりました。

ただ、個人内での最高点と比較すると、最低点は著しく出来が悪い。

どうもこの辺りに、私と一緒に長くいる人の多くが「なんでテストの点良くて頭が良いはずなのに、こんな些細なうっかりミスをするのか。真面目にやってないんじゃないか」という印象を抱く要因がありそうです。

下位検査間の点数比較

言語性・動作性どちらの検査も平均は(ほぼ)14点。評価点平均から3点ずれると意味があるようなんですが、この説を採用すると、

  • 算数と絵画配列は平均から4点も低いし、

最高点言語性検査の数唱よりも、

  • 算数は7点低く、
  • 絵画配列は8点低い、

などといった低パフォーマンスが目立ちます。

算数の低さの理由を自分なりに考えてみると

算数の検査を受けていて痛烈に思ったのが「ここで紙に書くことができれば、一つ一つの考えをまとめることができるのに」ということでした。(そういえば、中学・高校の数学でも図を自分で描くことができない、立体図をイメージできない、という点で悩んでいました。)

私は耳で聞くだけだと高度で複雑な情報をすべて記憶することができないようです。数唱では耳で聞いたことを後で反芻することができました。

この時、その音を繰り返すだけで脳内には何もイメージが浮かんでいません。聴覚系の短期記憶はもともとは悪くないのかもしれない。けれども、計算などをしようとすると、数唱とは違って複雑な式を取り扱うために文字数が多くなりすぎて、音を短期記憶だけで取り扱うことができなくなってしまうのかもしれません。

だから、書くという補助的な手段に頼らないとボロボロになってしまうのでしょう。

絵画配列の低さの理由はどう説明できそうか

絵画配列は、絵画上の手がかりから時系列を探り当ててストーリーを再構築するという作業であるようです。なのですが、この下位検査は筋道が憶測できなさすぎて、確信が持てなくてだいぶ不安になりました。

この低さの理由を具体的に思い浮かべることも難しいです。

まあ、たしかに集団の中でどうもかみ合わない「勘違い」が発生したことはしばしばありました。また、例えば長文の文章を書く時に、書きたいことを箇条書きにしてからまとめようとしてもうまく論旨展開をまとめ上げられないとか。

はたまた、会議で議事録を取るんだけど、逐語記録としては完璧なのにそれを短くA4一枚に経緯をまとめる段になると、誰が何をどういう目的のためにやったのか、理路整然とわかるようにまとめようとすると時間がかかり過ぎるとか。(よく新卒入社の時の一社目の上司に真っ赤に添削されてました……まあ、パワハラで有名な上司ではありましたが。)

あと、現在も続く例としては、小説や映画のプロットを忘れてしまうとか、これに関連していそうです。再放送の映画とか昔読んだ小説も楽しめます。

ちなみに、プロットを忘れた後で再読・再視聴している時には「あれ、これ見たことある気はするんだけどな、この次どうなるんだったっけ」「あのシーンって、この話のどの辺で、どういう経緯で出てくるんだっけ」というようなことを自問自答しています。

そういえば、主人公や脇役、悪役の意図などもすっかり忘れてしまいますね。これは、もしかしたら脳内で「一枚の紙にまとめていない」せいで認識できないのも関係しているかもしれません。

結果の良かった検査:数唱と組合せ

短く単純な内容を憶えておくことと、いま目の前に見えているものの細部の形を組み合わせたり、全体像を直観的に把握して「手を動かしながら」細部を組み上げることはできるようです。

ということは、目に見えない事象があった場合、まずは自分なりに紙に書きだして、大まかなパーツにした後で、目で確認しながらそれを組み上げるようにしたら良さそうですね。

全体を通して

自分なりの考察ではありますが、自分が「基本的には全体的に能力は高く、言語性と動作性でのアンバランスもない。しかし、物事の文脈を誤解しやすく、視覚的記憶の再生が難しい」らしいということがわかりました。(言った言わないで問題になりやすいタイプですね。)

ひとまず、先延ばしさえ何とかなれば、世の中に適応できるのではないかなぁという気がします。認知行動療法か服薬か、その両方頼みかな。

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